第2回若手領域会議 参加レポート(1)
学会・領域会議参加2025-05-28
冬眠研究の熱気に触れて
松本真実(名古屋市立大学 脳神経科学研究所 神経発達・再生医学分野)
第2回 冬眠生物学2.0 若手領域会議に出席して
名古屋市立大学大学院医学研究科脳神経科学研究所の澤本和延研究室で特任助教をしております、松本真実と申します。私は、修士課程の頃から澤本研にて成体脳内のニューロン移動の研究を行っており、これまで冬眠研究は全く行っておりませんでした。冬眠研究歴が浅い私にとって、冬眠生物学2.0の領域会議は非常に刺激的な会議であり、いつも皆様のご研究に圧倒されるばかりでございます。特に、冬眠生物学2.0若手領域会議には今回初めて参加させていただきましたが、“若手領域会議”と言う名前に相応しく、学生さんをはじめ、若手の研究者の皆様が活発に発表し、議論されている姿を拝見し、「何と活気のある領域なのだ」と感じ、自身も身の引き締まる思いでした。私は「人工冬眠におけるニューロン新生の影響」に関して発表させていただきました。「ニューロン新生」は生後脳内に存在する神経幹細胞から新たなニューロンが産生されていることを意味しております。領域の皆様にはあまり馴染みのない研究領域にも関わらず、私をはじめ、一緒に参加した当研究室の学生さんの発表にも多くの方が耳を傾けてくださり、我々では思い付かないような視点からの疑問点や結果の解釈のコメントをいただくことができ、非常に有意義な時間を過ごさせていただきました。
今回の若手領域会議は、1泊2日の泊まり込みで横浜市の研修・宿泊施設で行われ、十分な広さがあるように思われた会議室は満員状態で、この会の活発さが伺えました。夕食やポスターセッションの際にも、その活発さは止まることなく、日付を跨ぐ時間まで議論が続いておりました(深夜まで議論が続いたところもあったとも伺いました)。本領域において、冬眠研究が如何に活発に、情熱を持って行われているのか、そして、根幹として揺るぎない「研究が楽しい」と言う気持ちで取り組まれているのかということを体感することができ、研究室に戻ったら、私も負けないように懸命に取り組まなければと入魂された思いでした。さらに、既に共同研究を進めている先生方とも普段の議論では、あまりできないようなお話をすることができ、共同研究の促進にも繋がったと感じております。また、新たな先生方と知り合う機会ともなり、収穫の多い会議となりました。今回の発表では思いもよらず、優秀発表賞を受賞させていただき、大変光栄でございました。受賞した際のコメントでもお話しさせていただきましたが、このような名誉な賞に恥じぬように、本研究を通し、冬眠生物学2.0領域の発展に微力ながら貢献できるように努めてまいりたいと思っております。
最後になりましたが、本若手領域会議の開催にあたりご尽力いただきました領域代表の山口良文先生をはじめ、平野有沙先生、齊藤夕貴先生、高橋徹先生や学生の皆様など運営に携わっていただきました全ての皆様にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。