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第2回若手領域会議 参加レポート(3)

学会・領域会議参加2025-06-06

学術変革領域研究A『冬眠生物学2.0』若手領域会議 参加報告

山城芹奈(甲南大学大学院 自然科学研究科 生命・機能科学専攻)

202536日〜7日に開催された、学術変革領域研究A「冬眠生物学2.0」若手領域会議に参加いたしました。私は現在、久原篤先生の研究グループに所属し、博士課程の学生として日々研究に励んでおります。

 

本会議では、「線虫における低温耐性と銅代謝の関係性」について口頭発表の機会を頂きました。クローズドな形式での口頭発表は今回が初めてであり、さらに私の研究は、哺乳類における低温時の細胞死であるフェロトーシスとは異なる視点からのアプローチであったため、他分野の専門家の皆様からのご質問に的確にお応えできるか、大きな不安と緊張を抱えながら発表に臨みました。

発表資料については、専門外の方々にも内容をご理解いただけるよう、図表や解説を多く盛り込み、視覚的に分かりやすいスライド構成を心がけました。資料作成には以前から強い関心を持っており、発表後の懇親会で同世代の学生の皆様から「分かりやすかった」とのお言葉をいただけたことは、非常に嬉しく、今後の大きな励みとなりました。

一方で、自身の発表については確信が持てず、他の若手研究者の発表や質疑応答も非常に素晴らしかったため、まさか発表賞を頂けるとは思っておりませんでした。そのため、受賞時にコメントを求められた際には、十分にお話しすることができず、それが今でも心残りとなっております。

質疑応答や懇親会では、分野を超えた多くの研究者の方々から貴重なご意見やコメントをいただき、自身の研究を多角的に捉え直す機会となりました。また、線虫という生物に関する自らの知識が、いかに特定の分野に偏っていたかを痛感し、基礎的な知識の重要性を改めて認識いたしました。

本会議では、冬眠時における細胞動態やその制御機構に関する口頭・ポスター発表も数多く行われ、どれも非常に興味深く拝聴いたしました。中でも、細胞死に関連する研究発表には特に関心を持ち、発表者の方々とより踏み込んだ議論を行えたことは、大変有意義な時間となりました。低温環境下における生命現象の多様性に触れることができたことは、今後の研究に新たな視点をもたらす貴重な経験となりました。

これまでの学会では、発表後にすぐ会場を後にすることが多く、懇親会などの交流の場に参加することには消極的でした。しかし今回は、勇気を出して積極的に交流の場に加わることができ、多くの刺激と学びを得ることができました。

 

最後になりますが、本会議の開催にあたりご尽力くださった北海道大学をはじめとする関係各位ならびに、運営に携わってくださった皆様に心より感謝申し上げます。若手研究者が主体となって発表・議論を行い、分野を超えた活発な交流を通じて学びを深めることができる、このような貴重な機会をいただけましたことに、改めて御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

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