非冬眠両生類を用いた低温耐性機構から探る恒常性維持機構の破綻と維持
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岩越 栄子
Eiko Iwakoshi広島大学・大学院統合生命科学研究科・特任准教授
研究内容
冬眠(低温)からの目覚めに必要な機構の解明を目指し、モデル動物であるアフリカツメガエル(Xenopus laevis)とネッタイツメガエル(Xenopus tropicalis)を用いて研究を進めます。どちらも冬眠動物ではありませんが、前者はペットとして飼育されていたものが自然界に逃げ出し、増殖していることから、越冬していると推測されます。一方、ネッタイツメガエルは15℃では2日間の生存が限界です。しかしながら、両者を低温に晒すと冬眠ガエルの適応機構のひとつである高血糖を示します。本研究では、低温耐性をもつアフリカツメガエルと低温耐性をもたないネッタイツメガエルにおける分子レベルでの違いを探ります。変温動物の低温耐性の研究から、冬眠からの回復の分子機構に迫りたいと考えています。